でかくろの裏だよ。 連れ合いの後出し日記。。


by rakachibe
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礼二郎(じょろ)

犬らも飯食ったし、うんこもシッコもしたし、本日の業務も終了だな。
さて、寝ましょうかね。
と、今日もいつもと同じに終わろうとしていた。
が。 なんか、じょろが落ち着かない。
ん?外にいきたいのか?

ベランダに出してやると、「うえーっ」とするのだが何も吐いてない。
どうしたんだろう。吐き気が止まらないみたいだ。しかも、「吐けない」。
そういえば、昨日も「おえー」とやってはいたが、その後すぐに落ち着いて寝てしまった。
今日は違う。なんだか、どんどん苦しそうだ。
しまいにじょろは「ヒィーーーーンッ」と泣き出してしまった。
じょろのこんな声を聞くのは初めてだ。
凄く嫌な予感がした。
先生に電話だ。
かかりつけの獣医さんの携帯に電話。
症状を話すと「すぐに来て下さい」と言ってくれた。
と、見ると、じょろのお腹(胸部)がパンパンに膨らんでいる。
礼智にはケージに入ってもらって、支度をしながら再度電話を入れた。
「先生! オナカが膨らんで来ました!!!」
この段階で、『ブロート』と確信した。

慌ててじょろを連れ車に乗り込もうとすると、じょろが玄関先でうんこをした。

少な目で固めのうんこ。状態は悪くない。
そのうんこを持って車を出した。
家から動物病院まで5分位。先生の家から自分の動物病院まで10分。
ワシらの方が当然、早く着く。
「先生、早く早く」と思っているうちに先生も到着した。
じょろを見るなり「これはマズイかもしれませんよ」といった。。
ンなこと、言われなくても分かってるよー。 ブロートは時間との勝負なんだから!

診察台にじょろを抱き上げた。
よせばいいのにシッポふりふりで先生に愛想をふりまいている。
そんな余裕、今のオマエには無いはずだぞ。
体重24kg。 「なんでこんなに痩せちゃったの?」と先生。
って、その話しは前にしたやんかー。

じょろはこの夏、カイカイが酷く(血液検査では、アレルゲンは特定されなかった)
抗生物質ではおさまらず、ステロイドを使った直後に下痢をしたのをキッカケに、
27kgあった体重がガクンと減った。カイカイは、おさまったけど。
一時期、毛並みもツヤも悪くなり、ドライフードは一切止めて完全手作りに変えて、
ずいぶんと最近は、調子が戻ってきていると思ったのだが。。。

「既に分かっておられるでしょうが、考えられるものとして、
 鼓腸症、胃捻転、幽門痙攣等があります。まずこの抗痙攣剤(注射)で(現状の進行を)止めます」

注射を一本打った。
胸部はパンパン。舌も白っぽい。。。じょろ。。

・・・・・・・・・
すぐに落ち着き、吐き気も止まった。
「手術を前提にして用意しながら、まずはレントゲンの準備をしますので、
連絡をいれますから、とりあえず自宅で待機していただけますか?」
わしらは、一時帰宅することにした。(11時半過ぎ)
しばらくして先生から電話が来た。
「バリウムがすんなり入って行くので捻転はしてないように思います。
このままガスが抜けてくれると良いのですが・・・・しばらく様子を見守ります。」
電話の向こうではちょっと元気を取り戻したじょろが、ワンワカ吠えていた。

びーちゃんに、「じょろが吠えてたよ」と言った。
「夜中にマンションでワンワカ吠えてたら、迷惑にもなるよねぇ。。
 それに、なにせ『じょろ』だから。。傍に居て安心させてやった方が、いいよね。。
 あと、やっぱりブロートだから(再発が気になるし)ねぇ。。」

そこで先生に、もう一度電話をした。
「もしよろしければ、今晩病院で付き添ってもよろしいでしょうか?」
先生と相談して、またもや病院へ。
びーちゃんは、礼智とお留守番。

お腹は幾分へっこんだ気がしたが、じょろは相変わらず苦しそうだ。
レントゲンを見ながら「バリウムが全体に広がってしまって、良くはわからないのですが。。
(完全)捻転は、していないと思うんですがね。。」と先生。

「お腹をさすっていてあげて下さい」というので、「ガス抜けろ、ガス抜けろ」と
呪文のように唱えながら、さすってあげた。
しかし、お腹は変化なく、じょろは落ち着かず、ずっと立ったままだ。
たまによっこらしょと、伏せてはみるものの、やはり苦しいのかすぐに立ち上がって歩き出す。
そんな動作を何度か繰り返して、やっと伏せて眠ったように見えた。
はぁ、よかった。このままガスが抜けて、落ち着いてくれると良いのだが。。

この間、緊急のガスの抜き方として口からホースを突っ込んで抜くやり方や、直接、腹に管を突っ込んで
抜く荒業を教えてもらったのだが、ホースはここにはないし、現実的な方法ではなかった。

ワシはびーちゃんに電話を入れた。
「じょろのガス、いい具合には抜けてくれないんだけど、今はちょっと落ち着いたから。
 このまま朝まで、先生と様子見てるからね。」 この時、2時半。

・・・・・・・・・・・・・・

静かに寝ているじょろ。
鼻を触ってみる。
!!!
「凄く冷たい!」 口のきくらげも耳も手もみんな冷たい。
じょろは眠くて寝たんじゃない。もう動けなくなっていたのだ。
ワシは先生を振り返ってみた。
「先生、これ、まずい。。」
先生は頷いて、「切りましょう!手伝って下さい」と重く言った。
時計は3時を回っていた。



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先生とワシで手術が始まった。
まず、ワシがじょろを保定して、麻酔注射。
ビクッビクッ!とじょろが痙攣したとおもうと急にぐったりとした。
思わず(大丈夫なの?)と先生を見ると黙ってうなずいた。

そーっと横向きに寝かせ、「レイくんの舌を引っ張り出して下さい」と言われて

ワシはじょろの口をこじ開け舌を引っ張り出して、気道を確保するために顎を真っ直ぐのばした。
先生はガス麻酔の為の管を、じょろの口に差込み、固定。

ガス麻酔のレベル調整はダイヤルで、ワシの担当。まずは1.5。
「麻酔機のところの呼吸を、見ていてくだいね」
見ると、そこにゴムの袋がついていて膨らんだり縮んだりしていた。。じょろの命のメーター。

メスを入れる為にお腹の毛をバリカンで刈る。どんどん刈る。すげー刈る。
剃ったそばから、ワシは掃除機で吸い取る。
あぁ、白く、パンパンに膨らんだオナカ。。(がんばれ、じょろ!今、楽にしてあげるからな)
そのオナカに先生が縦に20cmくらいメスを入れる。
うー。魚をさばいていると思わないと、冷静にはなれないなぁこれは。。
って、先生。。メスって、何度も入れるんだな。
一回じゃ、腹を開ききれない。
じょろの鼻が、ヒクヒクと動いた。
先生「あ、麻酔が浅くてちょっと痛いのかもしれませんね。呼吸はどうですか?」
ワシ「さっきよりちょっと早いかも知れません」
先生「麻酔のダイヤルを「2」にあげてください。」
呼吸が落ち着いてきた。鼻のヒクヒクも止まった。

血は思ったより出ないんだな。。あ、いよいよかな?
脂肪であろう層を切っている。
そしてじょろのハラがパックリと口を開いて内臓が見えた。
切った腹が戻らないように、切り口の上下左右何箇所か鉗子で押さえている。
胃はパンパンに腫れていた。

「うーん。捻転はしていないようですけどねぇ。。」と自信なさげな先生。
手袋をした手でじょろの内臓をいぢくりまわしてる。

「うーん、(捻転)しかけたのかなぁ? なんか位置が違う気がするなぁ。。
どっちにしてもまずは胃のガスを抜きましょう。そうすれば胃がしぼんで、位置がはっきりするんで。
あ。そこの注射器をとって中身を袋からだしてここに置いて下さい。 中身の注射器本体には触れないで。
あとこれから、あれとってこれとってと頼みますが、総て袋にはいっていますので、
中身には触れないように、ここに開けて下さい。
すいませんねー。本当は飼い主さんに手伝ってもらうなんて、とんでもないことですよね。」

大きな動物病院だと、VTのおねーちゃんも何人も居て、院長以外の数人の先生とかがいるのだろうが、
VTの奥様と、トリマー兼VTのお姉ちゃんだけの、小さな病院。
奥様も一度来てくださったのだが、じょろが小康状態になった時に、自宅に帰してしまっていた。
こんな真夜中に、幼稚園にも行ってない小さなお子さん二人を、家に残して駆け付けて来てくれていたのだった。
その時は、半ば冗談で、「手術になったら、手伝って下さいねー」と言っていたのだが。。

「これは、途中で死んでしまうかもしれない」という、先生の配慮もあったのだと思う。
ウチの場合、何でも知りたがりのびーちゃんが、何かというとすぐに獣医に行き、
自分が納得するまで、説明を求めている。 
先生の話好きも相乗して、他の患者さんが居ない時は、1時間くらい「病気談義」やら
学会発表のあった「最新情報」やらを、顕微鏡や標本、文献などを見せてもらいながら、話していただいていた。

ブロートの場合、完治率25%という話しも読んだことがある。
やはりココは、ワシが立ち会うべきだろうて。

「捻転の手術は、私はハッキリいって通常は行いません。
持ち込まれても間に合わないケースがほとんどなので、申し訳ないが救急病院に行ってもらっています。
でもねー、ワタナベさんちとはお付き合い長いしねー、レイくんだし(余談だが、礼二郎は先生に
肥満細胞腫で、細胞診から切除手術までしてもらっている)、完全な捻転ではないし。
私、自慢じゃないですけど、オペをした患畜は総て元気になってます。あ、一匹だけ駄目だったなー。
ハムスターなんですけどね、腫瘍がまわっちゃっててねー。
で、この注射器のココね。 これをONにして吸ってOFFにして押し出してください。」 先生、良く喋る。

「私ね-、手術する時テンション上がるんですよ!時間も時間ですしね!はっはっは!
ノッてくると、多少手術の仕方乱暴に見えるかも知れませんが心配しないで下さい。さっ!ガス抜いて!」

注射器の先に付いたビニールの管が、じょろの胃に刺さっている。
ワシは慎重に、注射器でガスを吸っては出した。
じょろの胃がどんどん縮んで行く。 注射器で吸えなくなった。

「OK。もういいでしょう。さて!内臓の位置はどうなってるかな?
あれがこれで、これが右側だから。。えーと、落ち着け落ち着け!
えーとこれがこっちでこうだから・・・。あ。やはり捻転しかけてますね。亜捻転ですね。
半転してるようですので、正しい位置に戻します。」
先生、じょろの内臓を引きずり出しひっくり返したり、入れ替えたり。。
まるで知恵の輪を解いているようである。

「先生!じょろの呼吸が乱れてます!」
「あ、ダイヤルを1.5にして下さい。そう、OK。で、これがこうで、これがあーだから、
 落ち着け、落ち着け。。」 じょろの内臓は、結構はみ出ていた。
これでも生きてるんだもんなー。すげーな、じょろ。
ワシはその間、冷たいじょろの顔をなでながら、
「じょろがんばれ!先生もがんばってるぞ、大丈夫だからな!」と、耳元でささやき続けた。

「だめだ。またガスが溜まってきた。もう一回注射器!新しいの!」
ワシが新しい注射器を開ける。先生がセットをする。ワシが吸う。??吸えない!
「げげっ!ONとOFFが逆だぁ。じょろごめんよー!」(間違えんなよー!>オレ)
「落ち着いて。大丈夫ですよ」と先生。
しかし、ガスは少ししか出ない。
胃は最初に比べれば小さくはなったが、もう注射器では、それ以上は小さくすることが出来ない。

「胃にバリウムや未消化の内容物が入ったままで大きいので、ひっくり返すことが出来ないなぁ。」
このままでは内臓が本来あるべき場所に収まらないというのだ。
「よし!胃の中身も出します。胃を切ります!はぁ。でもその前に一服させて下さい。
 混乱してきたので、ちょっと頭を切り替えます。
レイくんの呼吸にだけ、気をつけてみていて下さい。
あ、そこの生理用食塩水をそこの洗面器で人肌に暖めておいてください。」

一度じょろの内臓を浸して洗うのだそうだ。
そーだよな。じょろの内臓、いつのまにか乾いてきちゃってる。
先生がたばこ吸ってる間、じょろの顔にほっぺたをくっつけて、なでながら話し掛けた。

「じょろ、がんばれな。大丈夫だぞ。
先生、がんばってるからな。じょろもがんばれ。死ぬなよー。」 涙がこぼれた。 
先生が戻ってきた。
「ワタナベさんも、一服してください。長くなりますよ。」
時計は4時半過ぎていた。



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生理用食塩水の袋を高く持ち上げて、ホースから出る液で、じょろの内臓をすすいで浸す。
先生はまだ、決断しかねているようだった。
「位置はこれでいいはずなんだがなぁ。閉じるか?」
自問自答している。
「いや、やはり切りましょう」
胃を固定し、1cmくらいの切り口を開けた。
両手で胃を掴み、中身を絞り出す。
ぶちゅぶちゅぶちゅ。。未消化のリンゴだのフードだのが、じょろの腹と床にこぼれ落ちた。

「床を、そこの雑巾で拭いてください。」
床を拭いていると上の方でまたもや「ぶちゅぶちゅぶちゅ。。」
ワシの手やアタマに滴った。
「あ、すみません!」と先生。
そんなことには構ってられない。じょろの命にかえたら「屁」でもない。いや、この場合は「ゲロ」でもないが適切か?
胃の中身を全部しぼりだすと、再び生理用食塩水を暖めてオナカを洗う。
胃の内容物が腹の中にこぼれてしまった為、雑菌だらけだからな。
洗わんと、腹を縫ってから腹膜炎を起こしてしまう。

先生、再び内臓の知恵の輪で頭を悩ませる。。
そろそろ時間との勝負らしかった。
「レイくん、がんばれよ!死なせないからな!」
先生。。
「よし!これでいい」
そして、今回はうまく収まったようだ。

「これで大丈夫でしょう。生理用食塩水浸した時に、このように自然に、元の位置に戻るのが理想なんですよ。
 さっきはこうはならなかった。やはり胃の中身を出したのは正解だな」
「先生、じょろの呼吸が。。なんか不規則。」
「あ、ダイヤルを2.0にしてください。そろそろ麻酔がマズイですね。けど、これで縫えばもう大丈夫な筈です。
 XX番の糸をとって、中身をここに出してください。この針は一本¥500円です。高いでしょ?自然と解ける糸ですからね。」
などといいながら、じょろの腹を縫っていく。
胃、そして、腹を三段階に分けて縫う。

「はぁ。。お疲れ様でした。」
無事手術は終了した。
「レイくんよくがんばったね。これで、ガスが溜らないといいのだけれど。。。
もし、膨れてくるようならば、申し訳ないけど、もう一度お腹切らせていただきます。
絶対に死なせるわけには、いきませんから」
「膨れるなよ、膨れるなよ。。」と、縫い目のあるじょろの腹を撫でる先生。。。
「ありがとうござました!」
目の前の命を助けたいという、先生の純粋で真摯な気持ちがとても嬉しかった。

「麻酔がもうすぐ切れますが、どうします?目が覚めるまでおられますか?
 でも目が覚めたら、きっと痛くて泣きますよ。」
ワシは、じょろの頭を撫でて言った。
じょろ、がんばったね。本当にがんばったね。でも泣いてるのを聞くのは辛いから、一旦帰るよ。

術後のじょろを先生に御任せして、ワシは病院を後にした。
朝だ。 6時半を回っていた。

長い手術だったな。。。

家に帰って、びーちゃんに報告した。
「あの電話のあと、手術したんだ。結局。。」
気になって眠れなかったびーちゃんは、ワシの報告を聞いて、やはり大変だったことを確認しているようだった。
報告しながら、今まで張り詰めていた糸がプツンと切れた。 
「じょろ、がんばったんだよ。すげーがんばったんだよ。。」
泣けた。

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少し寝てから病院に電話を入れた。
じょろは麻酔から覚めて、元気だそうだ。

次の日に面会に行った時(日曜日)には、もう外でしっこも出来るほど回復していた。
私達の顔を見るなりしっぽをフリフリで近寄ってきて、顔をべろべろと舐めまわしてくれた。
普段よりちょっとテンションは低いが、いつものじょろだ。生きてる。動いている。嬉しかった。
車を見つけるなり、「帰ろうよぉー」と、ドアのところから離れない。
「ごめんなーじょろ、まだ一緒には帰れないんだ」

礼智はといえば、、エリザベスカラーをつけた「ジラースじょろ」に、ビビって避けていた。。

月曜・火曜と、会社の昼休みと帰りに見舞いに行った。
その後も回復は順調だった。
先生から、この調子だと土曜日には退院できそうだと言われた。
一週間で退院!
あれだけの手術をしたのに、、犬の生命力は凄いなぁ。。

木曜日、ケージに入れられたじょろを見舞いにいった。
お散歩から帰って来て、ケージに入れられたばかりだったのでケージ越しにお見舞い。
いつものように、ぺろぺろと顔を舐めてくれた。
「がんばれなー、明後日退院だから、家でゆっくりしようなー。今日はこれで帰るからな」
抱き締めたいのを、グッと我慢して家に帰った。

金曜日も、会社帰りに寄ったが、明日退院なんだし
会うとじょろが後追いして鳴くので、先生に挨拶しただけで帰った。


楽しみにしていた土曜の朝。
先生から電話があった。
きっと、何時に迎えに来るのかという電話だろうと思った。

「礼二郎君、今朝、亡くなってしまいました。胃捻転が再発して。。ごめんなさい。」

耳を疑った。
「・・・・・そうですか。再発しちゃったんですか。わかりました。迎えにいきます。ありがとうございました。」
自分で返した言葉が、やけに冷静だったのが、なんだかとても嫌だった。

「・・・・じょろ、死んだって。」
「はぁ???」
その時のびーちゃんの顔は、忘れられない。
「はぁ?」と、3度も4度も繰り返していた。誰に言うともなく。

病院に迎えに行った。
冷たくなったじょろがいた。
お腹がまた、ぱんぱんに膨れていた。
「先生、おなかのガス、抜いてあげてください。」
今度は麻酔なしでじょろのおなかに管を刺す。
あっという間におなかがしぼんだ。

ワシはじょろを抱き締めた。
ごめんね。じょろ。辛かったね。独りで辛かったね。寂しかったね。ごめんね、ごめんね。本当にごめんね。
アタマを撫でたら、トンガリにカサブタが出来ていた。
お家が一番だった、じょろ。 分離不安が強かった、じょろ。
ケージを出て早く家に帰りたくて、きっと立ちっぱなしでケージにアタマを押し
付けていたのだろう。
それまで堪えていたびーちゃんが、カサブタを撫でて泣き崩れた。

今日退院するはずだった、じょろ。
なんで、死んでるんだろう。

ワシは『愛犬の内臓まで見たオトコ』として、自慢するハズだった。
死んだら自慢できないじゃないかっ!!

「ゆうべ私が家に帰る時には、元気でした。。今朝、来てみたら。。。油断しました。」と、先生。
そんなことは、どうでもいいのだ。
じょろは死んだのだ。
先生が居ようが居まいが、じょろが退院して家に戻ってきていようが、
再発していたら「次」はまず死んでいただろうし、その覚悟もしていた。

ただ、飼い主が何度も変わったことが、トラウマになっているフシのあるじょろが、
「終の住処」であるはずの我が家で死ねなかったことが、くやしかった。

ひょっとしたら、じょろは、もう家に帰れないと思っていたんじゃなかろうか?
オレらが、捨てたなんて思ってたんじゃなかろうか?
そんなコトを思ってしまうのだ。
「せめて」一度、家に帰って来てからであってほしかった。
「じょろ、お帰り」って、我が家で言ってあげたかった。

家に連れに帰り、定位置のソファに寝かせ、たくさんのお花とオモチャやトリーツで周りを囲んだ。
じょろ。やっと、帰って来れたね。

「らいち、ほら、じょろが帰って来たよ」
礼智は、動かないじょろの顔をクンクンして確認した後、リビングに入れなくなってしまった。
リビングに一歩も入れず、ずっと寝室のベッドで丸くなって寝ていた。



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そんな訳でじょろは今、立派な骨つぼに収まってウチのバリケンの上に居ます。

たまに礼智があらぬ方向を凝視している時があります。
たぶん、じょろがその辺を漂っているのでしょう。


最後になってしまいましたが、じょろの命を救う為に手を尽くして下さった先生に「ありがとう」です。
そして、じょろの為に駆け付けてくれたり、お花を届けてくれたり、電話をくれたり、泣いてくれたり、
励ましてくれたりした、沢山の人たちに「ありがとう」です。

で、この沢山の人たちと、わんこたちに巡り合わせてくれた、じょろに「ありがとう」です。
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by rakachibe | 2001-11-10 10:38 | 雑記