でかくろの裏だよ。 連れ合いの後出し日記。。


by rakachibe
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真夜中の自転車

第一章

-出会い-

その日は新宿で飲んでいました。
楽しいお酒は時間を忘れてしまいます。
気がついた時には終電に間に合うかどうかってとこでした。
走りこんでやっと間に合った小田急最終電車。けれど、それは途中の相模大野止まりでした。
ワタシの家は海老名です。
タクシーで帰ろうと思っていたのですが、財布は空です。
でも酔っ払っていたので気持ちが大きくなってます。
駅で降りて少し考えてみました。

「家まで歩くとかなりあるなぁ。。。よし!自転車でかえろう!」

もちろん自分の自転車などは置いてあるはずもありません。
しかし、幸いにも駅周辺には自転車がごろごろ落ちてます。(捨ててあるともいう)

あ、ここで断っておきますが、自転車泥棒をする気なんてさらさらありません。
あくまでも、捨ててある自転車(ぼろぼろ)を有効利用しようということです。
ワタシだって自分の自転車盗まれたら、たまらないものね。
ところが、いざ探してみるとなかなかごみのような自転車が落ちていない。
駅からもだいぶ離れてしまいました。
と、ありましたありました。

その自転車はぼろぼろに錆びて倒れていました。
チェーンがはずれ、サドルは穴があいて横をむいていました。
空気も抜けていて、ブレーキは後ろが切れています。
ギアなんかもちろんついていません。ママチャリの元祖みたいな自転車。
そんな虫の息で倒れていた自転車。
「動くかな?」
とりあえずチェーンをはめてペダルを回してみました。
ぎぎぃ、がちゃりんこ。
なんとか動きそうです。

「さぁ!家に帰ろう」

今、ワタシは命を吹き込んだのです。
がしゃぎしきーこ。がしゃぎしきーこ。
うれしそうに賑やかな音を立てて自転車は走ります。
こっちもなんだかとても愉快な気持ちになってきました。

「うふ・うふ・うふふふふふ!!」

この時AM1時過ぎ


第二章

-遭遇-

がしゃぎしきーこ。がしゃぎしきーこ。となかなかに快調な走りである。
酔って火照った顔に夜風がとても気持ちがイイ。
おー早い早い。もーすぐ小田急相模原ではないか。この分だと一時間かからないぞ。
と、そこに。

賢明な読者諸君ならもう、おわかりとは思いますが、その通りです。

「そこの自転車とまりなさい!」
けーさつだ。
ワタシはナニも悪いことをしてるという意識は無かったので「はい?なんですか?」と素直に止まりました。
二人組のおまわりでした。

「この自転車は君のか?」

「いえ。違いますよ。」

「どーしたんだ!」

「落ちてたのを直して乗ってきたんです。」

「落ちてただぁ?!盗んだんぢゃないのか?」

ナニ云ってんだぁ!?こいつら馬鹿か?
「盗むんだったらもっとイイの盗むでしょ!?わざわざこんなボロ盗まないよ!」

誰がどお見たって絶対にボロいはずです。
その間もう一人が自転車を点検。

「あ、ここに名前が書いてありますよ。」
うむむ。
「とりあえず、交番まで一緒に来なさい。」

げげ!

「おまえ等ひまだなぁ。なんでこんなくだらない事に時間を裂けるんだぁ?もっとやんなきゃいけないことがいくらでもあるだろぉがっ!!」
と、心の中で云いました。



--------------------------------------------------------------------------------

がしゃぎしきーこ。がしゃぎしきーこ。
心なしか自転車もしけた音に聞こえます。
交番は小田急相模原の駅前にありました。
そこではウルトラ警備隊のキリシマ隊長似のおまわりさんに事情聴取を受けました。
この時の気持ちとしては「おまわりさん」とかって呼びたくないのですが、悲しいことにソレ以外の呼び方でしっくりくるものがありません。
(おまわりさん/の”お”は”御”?しかも‘さん‘付け!=「御廻りさん」丁寧語なのだろうか?呼び捨てにすると、「おまわり!」?でも御は付けたくないので、「まわりぃ!」???なんだかまぬけです。もっと、バカにした呼び方は無いのでしょうか?
マッポ?下品で嫌ですね。しかもそんな風に呼ぶとなんか勘違いしそうなおまわりさんもいそうです。ああ、困りました。
なにか的確な呼び名はないのでしょうか?やはり「おまわり!」が妥当ですかね。)

住所、氏名、年齢、職業をひととおり答えてからワタシは事の成り良きを説明しました。
終電が相模大野止まりだったこと。お金がなくてタクシーで帰れなかったこと。
主人に捨てられたか、もしくは誰かに盗まれて捨てられ瀕死で、誰かが直してくれて走ることを待っていた自転車との出会いを。
そして、懸命に盗みではないことを主張しました。
が、
キリシマは、そんなことは充分にわかっているのだよと言うような顔で「にやり」と薄ら笑いを浮かべてこう言ったのです。

「事情はよくわかった。でもな、名前が書いてあるだろ。だったら人のぢゃないか。だから盗みだ。」

「だぁかぁらぁ、あなたが見てもぼろぼろでしょ?しかも壊れていて、もちろん鍵だってないし、誰がみても捨てられた自転車ですよ。」

聞く耳もって無いなこいつ。。

その時、さっきのおまわりが「持ち主に連絡つきました。盗まれて探してたそうです。」
げ。
こんな夜中に連絡とったのかよ。非常識なヤツだなぁ。

「探してたそうだ。」
キリシマは再び「にやり」と笑った。



--------------------------------------------------------------------------------

絶対にうそだぁ!
だいたい探していたんだったら警察に届け出してるはずだろ!
ふざけんなよ!
と、思ったがここで暴れてはホントに帰れなくなってしまう。
悔しいなぁ。

「家には奥さんいるんだろ?んじゃ、ちょっと電話しなさい。」
と、言われたが哀しいかな、この時は電話代未払いで電話が停止されていたのだった。

貧乏は嫌だなぁ。

キリシマはあきれ顔で
「え?止められてるの?しょうがないなぁ。まぁ事情はわかったので、今日はもう帰っていいよ。
そのかわり明日、相模原警察署の方に行ってちょうだいね。またそっちで、詳しく事情を聴くとおもうので。ソレが終わったら、奥さんが保証人ってことで、またここに来なさい。
もう自転車なんか拾うなよ。」

え?明日も取り調べがあるの??
なにはともあれその晩はこれで解放されました。

が、ここはまだ小田急相模原。
ウチは海老名。
さんざん取り調べられて説教されて帰っていいよっていわれても。。。
タクシー代もないのもわかっているはずなのに。。
送ってくれって言うのはずうずうしいしなぁ。。。

この時AM2時30分
。。。。。。。。

すっかり酔いなど覚めてしまった。
今日はなんて日だ。
ふぅ。
「さて帰るとするか」
ワタシはトボトボと我が家に向かって歩き始めた。
まだ、なにも終わってない。
これから始まるのだ。

トボトボトボ。

車で来ると3~40分の距離がある道をワタシは歩きつづけた。

トボトボトボ。
歩けども歩けども、道は果てしなく遠かった。
人もいない車も走っていない。
こっちのほうが近道かもしれない!と歩いて行っても結局道に迷ってしまいもとの国道にもどるはめに。
は、時間と体力のロスだ。。
素直にいつも車で走る道を行こう。

トボトボトボ。

ん?この道は田んぼを囲ってぐるんとおおまわりをしている。
だったら田んぼを突っ切って行った方が近道だ!!
(よせばいいのに。。。)
トボトボと田んぼあぜ道を歩く。
もちろん、街頭はなく辺りは真っ暗闇の中。
「あははは。まっくらだぁ。」
声にだしてみる。
「そーだね。」
なんて返事が来なくてホントによかった。

風が強くなってきた。

トボトボトボ。

はぁ、まだまだかかるなぁ。

時折、風の音と鳥の声で驚かされた。
(結構怖いなぁ。はははは。田んぼなんか歩くんじゃなかった。)
しかも近道だと思っていたのだが川を渡れなくて結局、遠回りをしてしまった。

田んぼを抜けたとき時計はAM4時半を過ぎていた。
(車だとここからすぐなのになぁ。。)

トボトボトボ。

結局家にたどり着いたのは朝の6時過ぎでした。



--------------------------------------------------------------------------------

「だだいま」
今まで寝ていた奥さんが「どうしたの?」って起きてきました。
いきさつを話そうと思ったのですが、とてもそのような気力が残ってません。
「はぁ~~。あとでね。おやすみぃ。」
と、すぐに寝てしまいました。
目が覚めてから夕べの一部始終を奥さんに話しました。

すると、奥さんはたちまち激怒モードに入ってしまいました。
それはワタシに対してではなくケーサツに対しての怒りでした。
(この人はワタシと一緒に怒ってくれるんだぁ)とワタシは少し驚いてしまいました

お恥ずかしい話ですが、今まではウチの母に学校などで起きた嫌な出来事などを話すと、
「バカだねぇそれはオマエも悪いのよ。そんなことさえしなければ。。云々」
と必ずワタシの責任を問われて来ました。
まぁ、たいていの場合、母の言うとおりワタシにも必ず非はあるんですけどね。
今回の事件など話した日にゃ「また調子にのってお酒なんか飲むから。。。がみがみがみ!」
と言われていたこと間違いナシです。

でも、やっぱり、気持ちとしては全面的に味方になってもらいたいぢゃないですか。
自分だって悪いなぁって思っているのだもの。
「あーオカーサン、ボクが望んでるのはそんな言葉ぢゃないんだよ!もっと愛しておくれよぉ!」
注:もちろん、愛されて育てられたのは承知しております(^^)
そーゆーアナタのちょっとした言葉が、こーゆー性格を形成したのだよ。
わかったか!かーちゃん!
(どーゆーのだ?!言葉が足りなくて申し訳無い)

はぁはぁはぁ、ちと取り乱してしまいました。失礼。
(でも、たまに実家にもどると今だに「最近こーゆーことがあったんだよ。」って報告してしまうワタシであります。(笑))

な・の・で。

奥さんのこの怒りモードはそれはそれは嬉しかったのでした。

で、午後。相模原警察署に行きました。
「夕べ、拾った自転車に乗っていて小田急相模原の交番のおまわりに捕まったものですけれども、こんにちはぁ。」って。
「ああ、はい。じゃぁこっち来て」
ってそこは別室。
刑事?と二人きりです。ここは取調室?
腹減ったなぁ。カツどんとか出るのかなぁ?
夕べとだいだい同じ内容の事情聴取を受けました。

「えーーー自転車の持ち主が自転車を引き取りにきたそうだ。えーーっと、被害総額はっと?あ、5000円ね。」

5000円!?たった?あれだけのおもいをして5000円!?たかだか5000円の為にワタシはこんな目にあったのかっ!!

刑事もどきは「まぁ、拾ったっていっても人の物はいけないなぁ。まぁ反省もしてるみたいなので今回だけは前科にはしないでおいてやるよ。」
おお!犯罪としては記録に残らないってことだな!と、迂闊にも喜んでしまいました。
ココは怒らなくちゃイケナイところだ。うん。
ワタシは言いました。

「ありがとうございます。」

そこには深々と頭を下げているワタシがいました。
嗚呼、なんて情けない男なんだ。思ってることと言動がまるっきし違うぢゃないかぁ!!

「んじゃ、指紋だけはとっておこうね。」

へ?

それからワタシは両手の指紋全部!(もちろん手のひら全体!)をとられてしまいました。
「んじゃ次は写真ね。」
なにぃ!?
カシャッ!(前)カシャッ!(右)カシャッ!(左)
と顔写真までとられてしまいました。
これではまるで犯罪者でわないかぁ。。。。

「あのー、前科にはなってないんですよね?」心配になってしまった。

刑事もどき「あー、なってないよ。記録として残しただけだから」
(それが嫌なんぢゃないかぁ。。。)
「はい。おしまい。帰っていいよ。もう二度とくるなよ。」
刑事もどきは刑事みたいなセリフを吐きました。

誰が二度と来るもんかっ!

結婚二年目の秋でした。
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# by rakachibe | 2006-10-12 15:05

パニック・イン・元住吉

ばらばらばらっ!
トタン屋根に吹き付ける雨が物凄い音をたて出した。
「なんか、雨がひどくなってきたなぁ。」
「そうね。」
などといいながらボク等は二人でテレビを見ていた。

当時、ボクは27歳。
彼女は20歳。
地方の大学生だ。

ボクは週末だけでも彼女と一緒に過ごせるようにと、27年間住んでいた実家を出て一人暮しを始めたばかりだった。
そしてみつけたのがこの部屋だ。
元住吉駅から徒歩5分。6畳、8畳、4.5畳の2LDK。家賃が8万だ。どうだ!がんばったで。
けどね、屋根はトタンなの。
二階には大家さんが住んでた。
すこしおんぼろだけど、広い造りでぼく等は気に入っていた。

床に入ってから雨はますます強くなっているようだった。
気になりながらも何時の間にか眠ってしまった。

ぽちゃぽちゃぽちゃ
ん?なんの音だろう?と、目を覚ましてみるとうわぁ!
まわりが水浸しだぁ!慌てて隣で寝ている筈の彼女を起こそう????アレ?いない!?
見渡すと部屋のあっちのほうで、「ぷかぷかぷか」と畳ごと浮いているではないか!?
しかも、まだ寝ている!ぷかぷかと浮きやがってなんて呑気な女だ!
「おい!起きろぉ!寝てる場合ではないぞぉ~~~~っ!」とボク自身も畳ごとぷかぷかと浮きながら叫んだ!
その様子はまさに大海原に投げ出されたジャックとローズだ。

ローズは不愉快そうに目をさました。「なによぉ」
このばか!まだ現状をわかっていないな!
「目を覚ませ!雨が水がホラ!とにかく大変なんだ!」
「え?うぎゃ~~~~っ!!な、なにこれ!」とローズは慌てて立ち上がった。
「ばかっ!立つな!」と言うよりも早くばっしゃーーーーーーんっ!とローズは海に投げ出されてしまった。
「ローーーーーーーズっ!!」
ボクは慌てて飛びこんだ!

「びちゃびちゃやな。」
床上40センチの浸水であった。

ボクとローズはしっかりと手をつないでそこに立ちすくんでいた。
「そだ!電気!」つかない。電気もやられてた。
雨は相変わらず物凄い勢いでトタン屋根を叩き続けている。
なんてこった。
だんだんと目が慣れてきた。
「そだ!ボクのレコードは!?」もちろん水浸しである。
「嗚呼あああ~~~~~っ秘蔵の800枚がぁっ!うわ~~ん」
は、泣いてる場合ではない。
他の被害は?ウチは家具だのなんだの全て床にべた置きである。全滅だぁ。
と、とにかくこれからどおしよう。
二人して部屋の中を意味もなくざぶざぶざぶと歩きつづけていた。その時!
どんどんどんどん!と玄関の扉を叩く音が!「渡辺さーん!大丈夫ですかぁーーーーっ!」
大家さんだ!
「はいはいはいはいはいはい。いま開けます!」
ざぶざぶざぶざぶざぶざぶざぶざぶ!玄関までが遠い。
がちゃっと、扉をあけると、ざばーーーーーーーーっ!「うわぁーーーーーーーーーっ!」
濁流と共に大家さんが流れ込んできた。
それはまるでスローモーションのようにゆっくりと。
ヘッドスライディングの大家さん。その慌てた顔。
濁流というだけあって、うんこも一緒に流れ込んできた。
そしてボクらも負けじと一緒に流されたっけ。
はっきりと思い出せるあの晩。

そして目を覚ました時よりも悲惨になったその部屋で、大家さんと三人でした。
「だ、大丈夫ですか?」と大家さん。もうその言葉は既に意味をなしてないことは本人もわかっていたのだろう。
すごすごと玄関に水を掻き分けながらもどっていくと
「それじゃ、二階におりますんで、なにかあったら呼んでください。」
と二階に上がっていった。
・・・・・・・・・・・・
おまえはなにしにきたんぢゃ~~~~~っ!

「真っ暗だね。くさいし、つめたいね。」
「うん」
「まだ、3時か」
「うん」
二人は途方にくれていた。
BGMはもちろん、セリーヌディオンの「My heart will go on」だ。
「とりあえず寝るか?」
ボクとローズは水の来ていない押入れの上段で、抱き合いながら朝を迎えた。

水が引いてから部屋を掃除したが匂いだけはどうしょうもなかった。
大家さんに交渉してみたが消毒は自分で金をだして業者に頼んでくれとのこと。
んな金があるわけないだろ!

後でわかったことだがココ元住吉は昔からよく水が出るんだそうだ。
ボクが住んでたアパートも初めての浸水ではないらしい。
近くにどぶ川が流れていてその川よりも遥かに土地が低くなっているのだもの。当たり前である。
洪水のたびにココの住人は何度も変わっているらしい。
その中の一人にもちろんボクも含まれた。

蛇足だがこの水害で被害に遭った人に市から見舞金が出た。
¥4000也。
4000円でなにが出来るッ!!

そして、この洪水で失ったモノ。
レコード800枚
買ったばかりのカセットデッキ
その他の電化製品
家具
寝具
中古のスターレット
そして、ローズ。。。
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# by rakachibe | 2006-10-12 15:03 | 雑記

礼二郎(じょろ)

犬らも飯食ったし、うんこもシッコもしたし、本日の業務も終了だな。
さて、寝ましょうかね。
と、今日もいつもと同じに終わろうとしていた。
が。 なんか、じょろが落ち着かない。
ん?外にいきたいのか?

ベランダに出してやると、「うえーっ」とするのだが何も吐いてない。
どうしたんだろう。吐き気が止まらないみたいだ。しかも、「吐けない」。
そういえば、昨日も「おえー」とやってはいたが、その後すぐに落ち着いて寝てしまった。
今日は違う。なんだか、どんどん苦しそうだ。
しまいにじょろは「ヒィーーーーンッ」と泣き出してしまった。
じょろのこんな声を聞くのは初めてだ。
凄く嫌な予感がした。
先生に電話だ。
かかりつけの獣医さんの携帯に電話。
症状を話すと「すぐに来て下さい」と言ってくれた。
と、見ると、じょろのお腹(胸部)がパンパンに膨らんでいる。
礼智にはケージに入ってもらって、支度をしながら再度電話を入れた。
「先生! オナカが膨らんで来ました!!!」
この段階で、『ブロート』と確信した。

慌ててじょろを連れ車に乗り込もうとすると、じょろが玄関先でうんこをした。

少な目で固めのうんこ。状態は悪くない。
そのうんこを持って車を出した。
家から動物病院まで5分位。先生の家から自分の動物病院まで10分。
ワシらの方が当然、早く着く。
「先生、早く早く」と思っているうちに先生も到着した。
じょろを見るなり「これはマズイかもしれませんよ」といった。。
ンなこと、言われなくても分かってるよー。 ブロートは時間との勝負なんだから!

診察台にじょろを抱き上げた。
よせばいいのにシッポふりふりで先生に愛想をふりまいている。
そんな余裕、今のオマエには無いはずだぞ。
体重24kg。 「なんでこんなに痩せちゃったの?」と先生。
って、その話しは前にしたやんかー。

じょろはこの夏、カイカイが酷く(血液検査では、アレルゲンは特定されなかった)
抗生物質ではおさまらず、ステロイドを使った直後に下痢をしたのをキッカケに、
27kgあった体重がガクンと減った。カイカイは、おさまったけど。
一時期、毛並みもツヤも悪くなり、ドライフードは一切止めて完全手作りに変えて、
ずいぶんと最近は、調子が戻ってきていると思ったのだが。。。

「既に分かっておられるでしょうが、考えられるものとして、
 鼓腸症、胃捻転、幽門痙攣等があります。まずこの抗痙攣剤(注射)で(現状の進行を)止めます」

注射を一本打った。
胸部はパンパン。舌も白っぽい。。。じょろ。。

・・・・・・・・・
すぐに落ち着き、吐き気も止まった。
「手術を前提にして用意しながら、まずはレントゲンの準備をしますので、
連絡をいれますから、とりあえず自宅で待機していただけますか?」
わしらは、一時帰宅することにした。(11時半過ぎ)
しばらくして先生から電話が来た。
「バリウムがすんなり入って行くので捻転はしてないように思います。
このままガスが抜けてくれると良いのですが・・・・しばらく様子を見守ります。」
電話の向こうではちょっと元気を取り戻したじょろが、ワンワカ吠えていた。

びーちゃんに、「じょろが吠えてたよ」と言った。
「夜中にマンションでワンワカ吠えてたら、迷惑にもなるよねぇ。。
 それに、なにせ『じょろ』だから。。傍に居て安心させてやった方が、いいよね。。
 あと、やっぱりブロートだから(再発が気になるし)ねぇ。。」

そこで先生に、もう一度電話をした。
「もしよろしければ、今晩病院で付き添ってもよろしいでしょうか?」
先生と相談して、またもや病院へ。
びーちゃんは、礼智とお留守番。

お腹は幾分へっこんだ気がしたが、じょろは相変わらず苦しそうだ。
レントゲンを見ながら「バリウムが全体に広がってしまって、良くはわからないのですが。。
(完全)捻転は、していないと思うんですがね。。」と先生。

「お腹をさすっていてあげて下さい」というので、「ガス抜けろ、ガス抜けろ」と
呪文のように唱えながら、さすってあげた。
しかし、お腹は変化なく、じょろは落ち着かず、ずっと立ったままだ。
たまによっこらしょと、伏せてはみるものの、やはり苦しいのかすぐに立ち上がって歩き出す。
そんな動作を何度か繰り返して、やっと伏せて眠ったように見えた。
はぁ、よかった。このままガスが抜けて、落ち着いてくれると良いのだが。。

この間、緊急のガスの抜き方として口からホースを突っ込んで抜くやり方や、直接、腹に管を突っ込んで
抜く荒業を教えてもらったのだが、ホースはここにはないし、現実的な方法ではなかった。

ワシはびーちゃんに電話を入れた。
「じょろのガス、いい具合には抜けてくれないんだけど、今はちょっと落ち着いたから。
 このまま朝まで、先生と様子見てるからね。」 この時、2時半。

・・・・・・・・・・・・・・

静かに寝ているじょろ。
鼻を触ってみる。
!!!
「凄く冷たい!」 口のきくらげも耳も手もみんな冷たい。
じょろは眠くて寝たんじゃない。もう動けなくなっていたのだ。
ワシは先生を振り返ってみた。
「先生、これ、まずい。。」
先生は頷いて、「切りましょう!手伝って下さい」と重く言った。
時計は3時を回っていた。



--------------------------------------------------------------------------------

先生とワシで手術が始まった。
まず、ワシがじょろを保定して、麻酔注射。
ビクッビクッ!とじょろが痙攣したとおもうと急にぐったりとした。
思わず(大丈夫なの?)と先生を見ると黙ってうなずいた。

そーっと横向きに寝かせ、「レイくんの舌を引っ張り出して下さい」と言われて

ワシはじょろの口をこじ開け舌を引っ張り出して、気道を確保するために顎を真っ直ぐのばした。
先生はガス麻酔の為の管を、じょろの口に差込み、固定。

ガス麻酔のレベル調整はダイヤルで、ワシの担当。まずは1.5。
「麻酔機のところの呼吸を、見ていてくだいね」
見ると、そこにゴムの袋がついていて膨らんだり縮んだりしていた。。じょろの命のメーター。

メスを入れる為にお腹の毛をバリカンで刈る。どんどん刈る。すげー刈る。
剃ったそばから、ワシは掃除機で吸い取る。
あぁ、白く、パンパンに膨らんだオナカ。。(がんばれ、じょろ!今、楽にしてあげるからな)
そのオナカに先生が縦に20cmくらいメスを入れる。
うー。魚をさばいていると思わないと、冷静にはなれないなぁこれは。。
って、先生。。メスって、何度も入れるんだな。
一回じゃ、腹を開ききれない。
じょろの鼻が、ヒクヒクと動いた。
先生「あ、麻酔が浅くてちょっと痛いのかもしれませんね。呼吸はどうですか?」
ワシ「さっきよりちょっと早いかも知れません」
先生「麻酔のダイヤルを「2」にあげてください。」
呼吸が落ち着いてきた。鼻のヒクヒクも止まった。

血は思ったより出ないんだな。。あ、いよいよかな?
脂肪であろう層を切っている。
そしてじょろのハラがパックリと口を開いて内臓が見えた。
切った腹が戻らないように、切り口の上下左右何箇所か鉗子で押さえている。
胃はパンパンに腫れていた。

「うーん。捻転はしていないようですけどねぇ。。」と自信なさげな先生。
手袋をした手でじょろの内臓をいぢくりまわしてる。

「うーん、(捻転)しかけたのかなぁ? なんか位置が違う気がするなぁ。。
どっちにしてもまずは胃のガスを抜きましょう。そうすれば胃がしぼんで、位置がはっきりするんで。
あ。そこの注射器をとって中身を袋からだしてここに置いて下さい。 中身の注射器本体には触れないで。
あとこれから、あれとってこれとってと頼みますが、総て袋にはいっていますので、
中身には触れないように、ここに開けて下さい。
すいませんねー。本当は飼い主さんに手伝ってもらうなんて、とんでもないことですよね。」

大きな動物病院だと、VTのおねーちゃんも何人も居て、院長以外の数人の先生とかがいるのだろうが、
VTの奥様と、トリマー兼VTのお姉ちゃんだけの、小さな病院。
奥様も一度来てくださったのだが、じょろが小康状態になった時に、自宅に帰してしまっていた。
こんな真夜中に、幼稚園にも行ってない小さなお子さん二人を、家に残して駆け付けて来てくれていたのだった。
その時は、半ば冗談で、「手術になったら、手伝って下さいねー」と言っていたのだが。。

「これは、途中で死んでしまうかもしれない」という、先生の配慮もあったのだと思う。
ウチの場合、何でも知りたがりのびーちゃんが、何かというとすぐに獣医に行き、
自分が納得するまで、説明を求めている。 
先生の話好きも相乗して、他の患者さんが居ない時は、1時間くらい「病気談義」やら
学会発表のあった「最新情報」やらを、顕微鏡や標本、文献などを見せてもらいながら、話していただいていた。

ブロートの場合、完治率25%という話しも読んだことがある。
やはりココは、ワシが立ち会うべきだろうて。

「捻転の手術は、私はハッキリいって通常は行いません。
持ち込まれても間に合わないケースがほとんどなので、申し訳ないが救急病院に行ってもらっています。
でもねー、ワタナベさんちとはお付き合い長いしねー、レイくんだし(余談だが、礼二郎は先生に
肥満細胞腫で、細胞診から切除手術までしてもらっている)、完全な捻転ではないし。
私、自慢じゃないですけど、オペをした患畜は総て元気になってます。あ、一匹だけ駄目だったなー。
ハムスターなんですけどね、腫瘍がまわっちゃっててねー。
で、この注射器のココね。 これをONにして吸ってOFFにして押し出してください。」 先生、良く喋る。

「私ね-、手術する時テンション上がるんですよ!時間も時間ですしね!はっはっは!
ノッてくると、多少手術の仕方乱暴に見えるかも知れませんが心配しないで下さい。さっ!ガス抜いて!」

注射器の先に付いたビニールの管が、じょろの胃に刺さっている。
ワシは慎重に、注射器でガスを吸っては出した。
じょろの胃がどんどん縮んで行く。 注射器で吸えなくなった。

「OK。もういいでしょう。さて!内臓の位置はどうなってるかな?
あれがこれで、これが右側だから。。えーと、落ち着け落ち着け!
えーとこれがこっちでこうだから・・・。あ。やはり捻転しかけてますね。亜捻転ですね。
半転してるようですので、正しい位置に戻します。」
先生、じょろの内臓を引きずり出しひっくり返したり、入れ替えたり。。
まるで知恵の輪を解いているようである。

「先生!じょろの呼吸が乱れてます!」
「あ、ダイヤルを1.5にして下さい。そう、OK。で、これがこうで、これがあーだから、
 落ち着け、落ち着け。。」 じょろの内臓は、結構はみ出ていた。
これでも生きてるんだもんなー。すげーな、じょろ。
ワシはその間、冷たいじょろの顔をなでながら、
「じょろがんばれ!先生もがんばってるぞ、大丈夫だからな!」と、耳元でささやき続けた。

「だめだ。またガスが溜まってきた。もう一回注射器!新しいの!」
ワシが新しい注射器を開ける。先生がセットをする。ワシが吸う。??吸えない!
「げげっ!ONとOFFが逆だぁ。じょろごめんよー!」(間違えんなよー!>オレ)
「落ち着いて。大丈夫ですよ」と先生。
しかし、ガスは少ししか出ない。
胃は最初に比べれば小さくはなったが、もう注射器では、それ以上は小さくすることが出来ない。

「胃にバリウムや未消化の内容物が入ったままで大きいので、ひっくり返すことが出来ないなぁ。」
このままでは内臓が本来あるべき場所に収まらないというのだ。
「よし!胃の中身も出します。胃を切ります!はぁ。でもその前に一服させて下さい。
 混乱してきたので、ちょっと頭を切り替えます。
レイくんの呼吸にだけ、気をつけてみていて下さい。
あ、そこの生理用食塩水をそこの洗面器で人肌に暖めておいてください。」

一度じょろの内臓を浸して洗うのだそうだ。
そーだよな。じょろの内臓、いつのまにか乾いてきちゃってる。
先生がたばこ吸ってる間、じょろの顔にほっぺたをくっつけて、なでながら話し掛けた。

「じょろ、がんばれな。大丈夫だぞ。
先生、がんばってるからな。じょろもがんばれ。死ぬなよー。」 涙がこぼれた。 
先生が戻ってきた。
「ワタナベさんも、一服してください。長くなりますよ。」
時計は4時半過ぎていた。



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生理用食塩水の袋を高く持ち上げて、ホースから出る液で、じょろの内臓をすすいで浸す。
先生はまだ、決断しかねているようだった。
「位置はこれでいいはずなんだがなぁ。閉じるか?」
自問自答している。
「いや、やはり切りましょう」
胃を固定し、1cmくらいの切り口を開けた。
両手で胃を掴み、中身を絞り出す。
ぶちゅぶちゅぶちゅ。。未消化のリンゴだのフードだのが、じょろの腹と床にこぼれ落ちた。

「床を、そこの雑巾で拭いてください。」
床を拭いていると上の方でまたもや「ぶちゅぶちゅぶちゅ。。」
ワシの手やアタマに滴った。
「あ、すみません!」と先生。
そんなことには構ってられない。じょろの命にかえたら「屁」でもない。いや、この場合は「ゲロ」でもないが適切か?
胃の中身を全部しぼりだすと、再び生理用食塩水を暖めてオナカを洗う。
胃の内容物が腹の中にこぼれてしまった為、雑菌だらけだからな。
洗わんと、腹を縫ってから腹膜炎を起こしてしまう。

先生、再び内臓の知恵の輪で頭を悩ませる。。
そろそろ時間との勝負らしかった。
「レイくん、がんばれよ!死なせないからな!」
先生。。
「よし!これでいい」
そして、今回はうまく収まったようだ。

「これで大丈夫でしょう。生理用食塩水浸した時に、このように自然に、元の位置に戻るのが理想なんですよ。
 さっきはこうはならなかった。やはり胃の中身を出したのは正解だな」
「先生、じょろの呼吸が。。なんか不規則。」
「あ、ダイヤルを2.0にしてください。そろそろ麻酔がマズイですね。けど、これで縫えばもう大丈夫な筈です。
 XX番の糸をとって、中身をここに出してください。この針は一本¥500円です。高いでしょ?自然と解ける糸ですからね。」
などといいながら、じょろの腹を縫っていく。
胃、そして、腹を三段階に分けて縫う。

「はぁ。。お疲れ様でした。」
無事手術は終了した。
「レイくんよくがんばったね。これで、ガスが溜らないといいのだけれど。。。
もし、膨れてくるようならば、申し訳ないけど、もう一度お腹切らせていただきます。
絶対に死なせるわけには、いきませんから」
「膨れるなよ、膨れるなよ。。」と、縫い目のあるじょろの腹を撫でる先生。。。
「ありがとうござました!」
目の前の命を助けたいという、先生の純粋で真摯な気持ちがとても嬉しかった。

「麻酔がもうすぐ切れますが、どうします?目が覚めるまでおられますか?
 でも目が覚めたら、きっと痛くて泣きますよ。」
ワシは、じょろの頭を撫でて言った。
じょろ、がんばったね。本当にがんばったね。でも泣いてるのを聞くのは辛いから、一旦帰るよ。

術後のじょろを先生に御任せして、ワシは病院を後にした。
朝だ。 6時半を回っていた。

長い手術だったな。。。

家に帰って、びーちゃんに報告した。
「あの電話のあと、手術したんだ。結局。。」
気になって眠れなかったびーちゃんは、ワシの報告を聞いて、やはり大変だったことを確認しているようだった。
報告しながら、今まで張り詰めていた糸がプツンと切れた。 
「じょろ、がんばったんだよ。すげーがんばったんだよ。。」
泣けた。

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少し寝てから病院に電話を入れた。
じょろは麻酔から覚めて、元気だそうだ。

次の日に面会に行った時(日曜日)には、もう外でしっこも出来るほど回復していた。
私達の顔を見るなりしっぽをフリフリで近寄ってきて、顔をべろべろと舐めまわしてくれた。
普段よりちょっとテンションは低いが、いつものじょろだ。生きてる。動いている。嬉しかった。
車を見つけるなり、「帰ろうよぉー」と、ドアのところから離れない。
「ごめんなーじょろ、まだ一緒には帰れないんだ」

礼智はといえば、、エリザベスカラーをつけた「ジラースじょろ」に、ビビって避けていた。。

月曜・火曜と、会社の昼休みと帰りに見舞いに行った。
その後も回復は順調だった。
先生から、この調子だと土曜日には退院できそうだと言われた。
一週間で退院!
あれだけの手術をしたのに、、犬の生命力は凄いなぁ。。

木曜日、ケージに入れられたじょろを見舞いにいった。
お散歩から帰って来て、ケージに入れられたばかりだったのでケージ越しにお見舞い。
いつものように、ぺろぺろと顔を舐めてくれた。
「がんばれなー、明後日退院だから、家でゆっくりしようなー。今日はこれで帰るからな」
抱き締めたいのを、グッと我慢して家に帰った。

金曜日も、会社帰りに寄ったが、明日退院なんだし
会うとじょろが後追いして鳴くので、先生に挨拶しただけで帰った。


楽しみにしていた土曜の朝。
先生から電話があった。
きっと、何時に迎えに来るのかという電話だろうと思った。

「礼二郎君、今朝、亡くなってしまいました。胃捻転が再発して。。ごめんなさい。」

耳を疑った。
「・・・・・そうですか。再発しちゃったんですか。わかりました。迎えにいきます。ありがとうございました。」
自分で返した言葉が、やけに冷静だったのが、なんだかとても嫌だった。

「・・・・じょろ、死んだって。」
「はぁ???」
その時のびーちゃんの顔は、忘れられない。
「はぁ?」と、3度も4度も繰り返していた。誰に言うともなく。

病院に迎えに行った。
冷たくなったじょろがいた。
お腹がまた、ぱんぱんに膨れていた。
「先生、おなかのガス、抜いてあげてください。」
今度は麻酔なしでじょろのおなかに管を刺す。
あっという間におなかがしぼんだ。

ワシはじょろを抱き締めた。
ごめんね。じょろ。辛かったね。独りで辛かったね。寂しかったね。ごめんね、ごめんね。本当にごめんね。
アタマを撫でたら、トンガリにカサブタが出来ていた。
お家が一番だった、じょろ。 分離不安が強かった、じょろ。
ケージを出て早く家に帰りたくて、きっと立ちっぱなしでケージにアタマを押し
付けていたのだろう。
それまで堪えていたびーちゃんが、カサブタを撫でて泣き崩れた。

今日退院するはずだった、じょろ。
なんで、死んでるんだろう。

ワシは『愛犬の内臓まで見たオトコ』として、自慢するハズだった。
死んだら自慢できないじゃないかっ!!

「ゆうべ私が家に帰る時には、元気でした。。今朝、来てみたら。。。油断しました。」と、先生。
そんなことは、どうでもいいのだ。
じょろは死んだのだ。
先生が居ようが居まいが、じょろが退院して家に戻ってきていようが、
再発していたら「次」はまず死んでいただろうし、その覚悟もしていた。

ただ、飼い主が何度も変わったことが、トラウマになっているフシのあるじょろが、
「終の住処」であるはずの我が家で死ねなかったことが、くやしかった。

ひょっとしたら、じょろは、もう家に帰れないと思っていたんじゃなかろうか?
オレらが、捨てたなんて思ってたんじゃなかろうか?
そんなコトを思ってしまうのだ。
「せめて」一度、家に帰って来てからであってほしかった。
「じょろ、お帰り」って、我が家で言ってあげたかった。

家に連れに帰り、定位置のソファに寝かせ、たくさんのお花とオモチャやトリーツで周りを囲んだ。
じょろ。やっと、帰って来れたね。

「らいち、ほら、じょろが帰って来たよ」
礼智は、動かないじょろの顔をクンクンして確認した後、リビングに入れなくなってしまった。
リビングに一歩も入れず、ずっと寝室のベッドで丸くなって寝ていた。



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そんな訳でじょろは今、立派な骨つぼに収まってウチのバリケンの上に居ます。

たまに礼智があらぬ方向を凝視している時があります。
たぶん、じょろがその辺を漂っているのでしょう。


最後になってしまいましたが、じょろの命を救う為に手を尽くして下さった先生に「ありがとう」です。
そして、じょろの為に駆け付けてくれたり、お花を届けてくれたり、電話をくれたり、泣いてくれたり、
励ましてくれたりした、沢山の人たちに「ありがとう」です。

で、この沢山の人たちと、わんこたちに巡り合わせてくれた、じょろに「ありがとう」です。
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# by rakachibe | 2001-11-10 10:38 | 雑記

九死に一生スペシャル

いやー、参った参った。
ナニが参ったかというと、今年に入ってから体の調子の悪いこと悪いこと。

去年の健康診断で中性脂肪が303と高く、
再検査しても284とやはり高く、
再再検査の結果、412と異常に高く、それから一週間
禁酒して再再再検査しても306と相変わらず高く。。
果てしなく高く。。。

薬を飲めば下がるのだが飲み続けることになるだろうと。な。この歳で。。。
なので、がんばって食事療法なのだ。
ワシはGW前から腰を痛めてのぉ。。
整体には通っているのだが、なんせ高い。
あまりよくもならずに今も痛い。
なので、土曜日早起きして病院でレントゲンを撮ってもらったら、「椎間板症」だそうだ。
ヘルニアにはなってない。ちょっとホッとした。
けん引してもらったよ。
気持ちいいね。アレ。

と、ここまでが前振りである。
ここからは九死に一生スペシャルを思い起こして読んでいただけるとウレシイです。


その日ワタシは、、犬3匹(預かりわんこがこの日は一匹いた)と奥さんを車に乗せて近所の運動公園に行って遊ばせた。
(ワタシの車は去年犬達の為にシボレーアストロというどでかいアメ車に変えたばかりだった。
左ハンドルには慣れていたが、ここまでデカイ車は初めてだった。
車重が2トンもあるデカくて重たい鉄の塊だ。
流石アメ車ってカンジ。)

この日はいくら五月の午前中とはいえ、ピーカンの真夏日で犬も人も汗だくになってしまった。
はぐはぐの犬達を連れ急いで帰ってきて家のガレージの前に車を停めると
礼二郎が「家だ!降ろせ!水くれ!」と訴えた。
文句の多い犬だ。
「ええぃ!待て!」っていいながら、まずはワタシが先に降りる。。
両足をおろしてから気がついた。

車がゆっくりと前進している。

ギアがドライブのまま、サイドブレーキも引いて無いではないか!
「あ。電柱にこする。。」
と思ったときには左前方にあった電柱にサイドミラーが押されて
たたんだと思ったら次にドアがガリガリッと押されて。。

ぎりぎりぎりっ。
気がつくとワタシの下半身はドアに完全に挟まれてしまった。
もう慌てる慌てる。
2トン車の万力攻撃はそりゃあもう痛いぞ!

こーゆー時って人間パニック状態になるね。
なにをどおすればいいのか瞬時の判断がまるで出来ない。

「そだ!ブレーキブレーキ!びーちゃんブレーキ!違う!そのブレーキぢゃなぁい!!サイドブレーキ!」
「え?どれがサイドブレーキなのぉ!!」

ちっ!あ、手が届く!
慌ててサイドブレーキを右手で押して、(踏むサイドブレーキなのです)止まったけど、ギリギリと容赦なくドアは締め付ける。

体が抜けない。
参ったなぁ、どんどん締め付けてくるよ。
ああ、ブレーキちゃんときいてないのかなぁ?
ギア、ドライブに入ったまんまだもんなぁ。

あー、いつか見たテレビ番組みたいだなぁ。。

はっ!

エンジン切らなくちゃ!
エンジンを切るためにはギアをPにしなくちゃ!

奥さんが「キャーーっ!ワタシどうすればいい!?」と泣きそうな叫びをあげてる。
「ギアをパーキングにしてエンジン切って!」
といっても彼女、ペーパードライバーの上にギアの位置が普通の車と違うもんだから
わかるわけがない!

「ちぃ!抜けてやるぜ!」
痛くて痛くて、「ムリムリムリッ」やっとの思いで右足が車中にもどりました。
「よっ!」ギアに手が届いた!ギアをPに入れてエンジンを切りました。
「ほっ」
びーちゃんがいない?

みると彼女は外に出て車を前から一生懸命押し戻そうとしています。
2トン車なので動くわけがないが、彼女だって必死です。


さて、後は左足だ。
このままではかなりヤバイなぁ。
「びーちゃん!このカバンどけて!」
とたすきがけしていたカバンをどけてもらうと少し自由になりました。

ぎりぎりぎり!と足を高く持ち上げて。と。
抜けない。

足が擦り剥けていくのがわかる。
でもそんなの構っていられる状況ではない。
体を無理やり捻って!
痛いなぁ。。
えい!ままよ!(ってよく使うけどどーゆー意味だ?)
抜けたぁ!
はぁはぁはぁはぁ。。

はっ!
ワシのアストロ!
慌ててエンジンかけようとしたがひざがカックンカックンしてまともに動けない。
やっとこさギアをバックに入れて慎重に車を戻しました。

「あーあ。」
電柱にはワタシの車の塗料が。。
ワタシの車はガリガリのべこべこ。
でも、
命があってよかったぁ。と心から思いました。

おしっこちびんなくて良かったです。
その日は左足がプラプラして、一日ショック状態でした。

犬達?
さすがに驚いて黙っていました。
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# by rakachibe | 2001-05-19 15:06